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Channel: ニュース | 医療・健康・介護のニュース・解説 | ヨミドクター(読売新聞)
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小児がん患者、橋渡しの「移行期医療」課題…7割が成人診療科と会議せず

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 大人になった小児がん患者を、小児診療科から成人診療科に橋渡しする「移行期医療」に関して、全国の大学病院などの7割が両科の合同会議を行っていないとする調査結果を、小児がんの研究グループがまとめた。小児診療科で50歳代以上の患者を診ている施設は2割弱あるなど、成人後の合併症に対応する連携が進んでいない実態が明らかとなった。

 治療技術の進歩で、小児がん患者の10年生存率は8割まで高まっているが、うち6割は、胃腸や心機能の障害、別のがんの発生など合併症を抱えている。成人後も続く治療は、内分泌や呼吸器、循環器といった成人対象の専門診療科で行う必要があるが、小児科にかかり続けることも多い。

 研究グループの久留米大小児科の大園秀一准教授らが昨年3、4月、小児がんの高度な治療や研究を行う147医療機関を対象に調査し、81施設が回答した。

 その結果、小児診療科で診ている患者の最高年齢は、「30歳代」の35施設(43%)が最多。「40歳代」は16施設(20%)、「50歳代以上」は14施設(17%)だった。

 成人診療科と、移行する時期を迎えた患者について話し合う会議の実施状況を尋ねると、定期的に行っていたのは5施設(6%)で、58施設(72%)は開催していなかった。

 大園准教授は「小児科医が成人後の患者を診ることには限界があり、患者のためにスムーズに成人診療科に移行を進める必要がある。情報共有ツールの活用や、合同会議の実施などで、両者の交流を活発に進めるべきだ」と話している。


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