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強制不妊訴訟、最高裁大法廷が夏にも「除斥期間」適用について統一判断…原告「一日も早い全面解決を」

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 旧優生保護法(1948~96年)に基づく不妊手術を強制されたとして、被害者らが国に損害賠償を求めた5件の訴訟の上告審弁論が29日、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)であり、原告側、国側の双方が主張を述べて結審した。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する民法(当時)の「除斥期間」を適用するかどうかが最大の争点で、大法廷が今夏にも統一判断を示す見通し。

強制不妊訴訟、最高裁大法廷が夏にも「除斥期間」適用について統一判断…原告「一日も早い全面解決を」

 旧優生保護法を巡っては2018年以降、39人が全国12の地裁・支部に訴訟を起こしている。今回の弁論の対象となったのは22年2月~23年6月に仙台、東京、大阪、札幌の各高裁で判決が言い渡された計5件。高裁はいずれも旧法を違憲とし、4件(東京、札幌、大阪2件)では「除斥期間の適用は著しく正義に反する」として国に1人あたり最大1650万円の賠償を命じた。だが、仙台高裁は除斥期間を適用して請求を棄却し、判断が分かれていた。

 この日の弁論で原告側は「人権侵害の悲惨さを踏まえれば、時の経過で国を免責してよいはずがない」と主張した。国側は「障害者差別の解消に取り組んできており、除斥期間の適用が著しく正義に反するとはいえない」と反論。判決期日は追って指定される。

 東京訴訟の原告で「北三郎」の名前で活動する男性(81)は弁論後の記者会見で「人生を返してほしいが、昔の自分はもう戻らない。一日も早い全面解決をお願いしたい」と述べた。

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上告審弁論を終え、記者会見する原告の北三郎さん(右端)(29日午後、東京都千代田区で)=須藤菜々子撮影

 裁判官15人による大法廷は憲法判断や重要な法的問題を判断する場合に開かれる。判決が旧法への憲法判断を示す可能性もある。


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