北海道内で、シラカバ花粉の飛散量が平年より多くなっている。道立衛生研究所によると、札幌市では過去10年平均の2倍ほどが見込まれ、飛散は6月中旬まで続く可能性があるという。衛生研は外出時のマスク着用や、帰宅時に玄関先で衣服を払って花粉を落とすなどの対策を呼びかけている。
衛生研で花粉を研究する平島洸基さんによると、飛散量は前年夏の気温や日照時間が関係するほか、多い年と少ない年が交互に現れる傾向があるという。昨夏は道内で猛暑を記録した上、昨春は飛散量が少なかったことから、今年は全道的に多くなると予想される。
今年の飛散開始は、札幌市で4月15日、函館市で同18日など平年より早かった。3~4月は雨が少なく、すぐに暖かくなったのが原因とみられる。
1995年からシラカバ花粉の飛散状況を独自に調べている北円山耳鼻咽喉科アレルギークリニック(札幌市西区)の白崎英明院長は、今年の札幌市の飛散量が95年に次いで2番目に多くなるとみる。昨年6月と今年3月の日照時間を基に予測しており、今年計測した飛散量は既に平年の2倍で、昨年に比べると5倍に上っているという。飛散に連動するように、通院する新規患者の数も増えている。
白崎院長は「雨が降った翌日に晴れて風が強いと飛散量が増える。マスクを着けたり鼻うがいをしたりして対処し、受診して薬を処方してもらってほしい」と話す。